中国で武術として発祥した太極拳は現在スポーやリラクゼーション法として知られている。動禅(鎌田,2006)と言われているようにゆったりとした身体の動きと深い呼吸の融合が特徴である。身体的だけでなく精神的効果に関した論文も発表されている(飯田,2013)。しかし太極拳の動作が複雑で、習得するのに時間がかかる(24式簡化太極拳の動きを全部覚えるには少なくとも3か月が必要)ので、ストレスコーピング方法として誰でも簡単に使えるわけではない。筆者は24式簡化太極拳から代表的な8つの動作を抽出し編成された「ミニ太極操」を一回だけの体験でも一時気分や身体感覚にどのような影響があるか、また練習時間の長さによって気分への影響に違いがあるか検証するためにこの研究をデザインした。左の写真は一般市民を対象に2020年夏に実施した研究の参加者募集ポスターです。